温泉360°(オンセンサンロクマル)|温泉まとめ

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【温泉ランキング】大日本温泉一覧【明治時代】


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温泉地ではやはりご当地グルメ!

毎週、最新の人気ランキングで選ばれた温泉地を取り上げて記事を書いているうちに過去のデータも知りたくなりました。

2020、2019…と情報を調べてまとめていたらとまらなくなり、一気に遡りました笑

今回は日本の温泉ランキングの明治時代版を紹介します
明治時代の情報は『大日本温泉一覧(20世紀見立改正新版/1908年)』からの情報となります。

いつもは読んでくださるみなさんの場所からのアクセスを考慮して、東日本・西日本とわけています。
今回は藩の区分と現在の県の区分が異なるのでわかりづらいこと、そもそも昔のランキングの東西の分け方が適当なことから、地域別にわけることはやめました。

相撲の番付表のようなもの、今でも目にする時がありますよね。

温泉番付が初めて作られたのは、江戸時代の寛政年間といわれている。

当時歌舞伎役者の人気を相撲の番付風に格付けした、見立て番付が流行した。
同じようなものが数々のジャンルに対して作成され、温泉番付もその中の1つとして作成された。

その番付は効能の高さを元にランク付けされている。
そのため、番付によっては温泉名の上に効能が記述されているものもある。
番付の東西は、大相撲の番付の考え方と異なり、単に東日本の温泉は東に、西日本の温泉は西に番付されている。
ただし、幕内下位の西日本の欄には東日本の温泉が一部入っている。

温泉番付は江戸、大坂など、町人文化が発達したところで町人によって作成され、その後各地の温泉地でも作成された。

この時代の番付の特徴としては、

 1 作成された場所により、温泉地の番付に変化がある
 2 誤字脱字、該当温泉地が不明のものがある

1の理由としては、近くの温泉や自分の温泉地をひいきにしたりすることが多かったためである。
2については、当時は街道は発達していたが町人が自由に旅行することは難しく、他の旅行者の評判や既存の温泉番付を参考にして番付に反映させていた。
その結果人伝えに情報が伝えられるうちに誤字脱字や、該当不明の温泉地が発生しそれがそのまま掲載された。

江戸時代に流行った温泉番付は明治時代以降も製作されたが、徐々に番付を行う風習は廃れていった。

出典:ウィキペディア

ウィキペディアのとおり西日本の欄に東日本の温泉が入っていたり、誤字脱字があったりすることもあり、不明な温泉もいくつかあります。
しっかりと調べるとわかるような気もします。

今回はこの『大日本温泉一覧』に基づいて、紹介します。

大関

上野|草津 → 群馬|草津温泉

にっぽんの温泉100選では草津は最新ランキング(2022年12月発表)まで20年連続1位ですが、そんなレベルではなく、もうずっとトップクラスなんですね。
この位置に至るまで、どんなプロモーションが行われたのか知りたくなります。

関脇

下野|那須原 → 栃木|那須温泉

© 鹿の湯

小結

信濃|諏訪 → 長野|上諏訪温泉

©諏訪湖温泉旅館協同組合

大関~小結の顔ぶれは江戸時代と同じです。

前頭

岳温泉

奥○|嶽 → 福島|岳温泉
奥○|仙臺成子 → 宮城|鳴子温泉
羽○|最上髙湯 → 山形|蔵王温泉
伊豆|湯河原 → 神奈川|湯河原温泉
相模|芦ノ湯 → 神奈川|芦ノ湯温泉(箱根十七湯)
日光|中禅寺 → 栃木|日光湯元温泉
信濃|渋 → 長野|渋温泉(湯田中渋温泉郷)

このあたりはすっかりおなじみの温泉地ですね。
明治・江戸のランキングでは今は箱根十七湯とまとまっている温泉地がいくつも登場してきます。

前頭(二段目)

伊香保石段街

上野|湯川尾 → 群馬|伊香保温泉
武○|小河内 → 東京|小河内温泉 ※ダム建設で水没
陸奥津軽嶽 → 青森|嶽温泉
伊豆|小名村 → 静岡|伊豆長岡温泉
岩代|會津天仁寺 → 福島|東山温泉
○後|松ノ山 → 新潟|松之山温泉
陸中|南部恐山 → 青森|恐山温泉
羽○|庄内田川 → 山形|湯田川温泉
陸前|岩城湯元 → 福島|いわき湯本温泉
羽○|赤湯 → 山形|赤湯温泉

江戸、明治から令和の最新ランキングまで調べてきて驚きました。
東京(奥多摩)がランクインしていた頃もあったんですね。
小河内温泉は水没しましたが、鶴の湯として今も源泉を味わうことはできるそうです。

前頭(三段目)

沢渡温泉街 ©2023 Google

上○|澤渡 → 群馬|沢渡温泉
ツガル|大鰐 → 青森|大鰐温泉
羽○|秋田大滝 → 秋田|大滝温泉温泉
○○|飯坂 → 福島|飯坂温泉
○○中|南部鹿角 → 秋田|湯瀬温泉
サガミ|姥子 → 神奈川|姥子温泉(箱根十七湯)
岩代|仙臺河渡 → 宮城|川渡温泉(鳴子温泉郷)
羽前|米沢湯沢 → 山形|湯の沢温泉
イズ|権現 → 静岡|伊豆山温泉
サガミ|木賀 → 神奈川|木賀温泉(箱根十七湯)
岩代|會津熱塩 → 福島|熱塩温泉
上○|四万 → 群馬|四万温泉

三段目あたりから、カタカナ表記も登場します。
漢字が面倒だったんでしょうか笑

前頭(四段目)

浅間温泉街 © 浅間温泉観光協会

シナノ|淺間 → 長野|浅間温泉
サガミ|堂ヶ島 → 静岡|堂ヶ島温泉
庄内|湯ケ濱 → 山形|湯野浜温泉
ヒゼン|竹尾 → 佐賀|武雄温泉
○○|淺虫 → 青森|浅虫温泉
○○|岩室 → 新潟|岩室温泉
イズ|伊豆山 → 静岡|伊豆山温泉
下毛|板室 → 栃木|板室温泉
上○|切炭 → 群馬|霧積温泉 ※漢字の読みから推測
下毛|塩原 → 栃木|塩原温泉
上○|入山 → 不明
シナノ|田中 → 湯田中温泉(湯田中渋温泉郷)

西

大関

摂津|有馬 → 兵庫|有馬温泉

西の大関から小結は、令和の今も変わらないトップクラスの人気を誇っていますね。

関脇

但馬|城ノ嵜 → 兵庫|城崎温泉

江戸の番付は「城の崎の湯」となっていましたが、その後のこの明治のほうが古いイメージを感じる漢字が使われていますね。

小結

伊豫|道後 → 愛媛|道後温泉

前頭

山中温泉街 ©加賀市観光交流機構

加賀|山中 → 石川|山中温泉
肥前|温泉ケ嶽 → 熊本|獄温泉
肥後|阿蘇山 → 熊本|阿蘇温泉郷
薩摩|霧島山 → 鹿児島|霧島温泉
肥後|山家 → 熊本|山鹿温泉
上○|和倉 → 石川|和倉温泉
伊豆|修善寺 → 静岡|修善寺温泉

前頭には今も人気の温泉地が並びますね。

前頭(二段目)

下呂温泉

美ノ|下良 → 岐阜|下呂温泉
能○|底倉 → 石川|和倉温泉
備中|長府 → 岡山|湯原温泉
サツマ|硫黄 → 鹿児島|東温泉
紀伊|田邊 → 和歌山|白浜温泉
但馬|湯川原 → 兵庫|湯村温泉
○○|川治 → 広島|湯の山温泉
紀伊|大世知 → 和歌山|椿温泉
加賀|白峯 → 石川|白峰温泉
○○|徒見 → 鳥取浜村温泉

二段目も、今も人気の温泉地が並びますが、名前が結構変わっています。

前頭(三段目)

浜脇温泉「別府市営浜脇温泉」

ブンゴ|濱脇 → 大分|浜脇温泉(別府八湯)
ブンゴ|別府 → 大分|別府温泉(別府八湯)
サツマ|櫻島 → 鹿児島|古里温泉
エチゴ|塩澤 → 新潟|湯沢温泉(えちごせきかわ温泉郷)
○○|下呂 → 岐阜|下呂温泉
羽○|川樋 → 不明
上○|磯部 → 群馬|磯部温泉
武○|百草 → 不明
○○|河原 → 不明
シナノ|川中 → 群馬|川中温泉 ※温泉名から推測
サガミ|塔ノ沢 → 神奈川|塔ノ沢温泉(箱根十七湯)
○○|○神 → 不明

前頭三段目あたりから「不明」なところも増えてくるので明らかにしてみたいものです。
ただし東に入るような温泉地も入ってきてしまっていることも明らかになっていない理由なんでしょうね。

前頭(四段目)

湯田温泉「温泉舎(ゆのや)」

○○|川村 → 不明
○○|山口 → 山口|湯田温泉
ヒゼン|湊 → 不明
イセ|古茂 → 兵庫|洲本温泉
肥ゴ|日奈久 → 熊本|日奈久温泉
○○|足倉 → 富山|立山温泉温泉
○○|二ツ嶽 → 不明
○○|秋田○安 → 秋田|小安峡温泉 ※温泉名他から推測
イヅ|吉奈 → 伊豆|吉奈温泉
サツマ|関外 → 不明
イヅ|舟ケ原 → 静岡|船原温泉
○○|津輕矢立 → 青森|矢立温泉

その他

行事

伊豆|熱海 → 静岡|熱海温泉
相○|箱根湯元 → 神奈川|箱根湯本温泉(箱根十七湯)
上毛|伊香保 → 群馬|伊香保温泉

記事のまとめ方について

・○となっている部分は解読ができない文字です。
・検索しても確定していないと思われる温泉地は「不明」とし、一部推測される場所がコメントされている温泉地は記載しました。
ぜひ不明箇所を埋めてみたいので、情報をお持ちであれば、教えていただけると嬉しいです。
ウェブでは検索にヒットしなくても温泉旅館に飾られている額縁とかに情報ありそうですよね笑
・当時の名称・表記をできるだけ反映させていますが旧字もあるため、その旨ご了承ください。
・江戸版の記事に合わせて前頭4段目までにしましたが、大日本温泉一覧には前頭五段目まであります。
・現代の温泉地名はにっぽんの温泉100選にランクインしている場合、100選で使われている総称も掲載しています。
ランクインしていない温泉地の場合は各温泉地の観光協会等の表記にできるだけ合わせています(例:えちごせきかわ温泉郷)。

 

地名、温泉名の漢字を誤っている場合もありますので、お気づきになったらぜひコメントでお知らせくださいませ。

最後までおつきあいいただき、誠にありがとうございます。